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「すっげぇぇぇ! 気球船ってこんなに高く上がるんだな!」

ユクモの村人全員からの送迎を受けて、気球船『シエラ号』が空高く飛び立ったのはつい数分前のことです。


「ヨルヴァ、あまり下を覗き込んだらダメだぞ。も、もし落ちたりしたらどうするのだ!」

「そうだぞ小僧。うぅむ……しかし、この歳でこんなものに乗ることになるとはな……いや、べ、別に怖くなどないがな!」

甲板ではヨルヴァ君達が三人で騒いでいる。何を話しているのかは分からないけど、遠くから眺める分には結構楽しそう。

「でも本当に凄いなぁ……」

荷物を部屋に置きながら、思わず呟いた。
凄いと言ったのはもちろん気球船の広さのこと。
どれ程かというと、ウラガンキンが大体5匹分。

……いや、全員が武器やアイテムを積み込んでも十分にくつろげるスペースがある、と言った方が分かりやすいでしょうか?
こんな代物、貴族でも手に入れるのは容易ではないはずだけど……。

「ふぅ……これで全部かな?」

それはともかく、持ち込んだ荷物は戦いに備えた物のため、量は相当。
そのため私も含めて、他の皆もまだ荷物を整理している途中なのです。
ちなみにヨルヴァ君達はまだ荷物すら置けていません。
さっきは楽しそうなんて言いましたけど、恐らくは搭乗した直後から甲板に張り付きっぱなしのヨルヴァ君をモモさんが引き戻そうとしているだけなのでしょう。
……ハルクさんが目をギュッと閉じ、心無しか内股気味になっているのは少し気になりますが。

「アクアー! もう荷物は置き終わった?」

後ろからの声に振り向くと、大荷物の間からハンマーさんがピョコリと頭を出していた。
大きな眼をキラキラとさせて、いつもよりテンション高めだ。

「はい丁度。ハンマーさんも終わったみたいですね」

「もちろん! さ、私たちも甲板に出ようよ。今ならなんとシャワのガイド付き!」

荷物の裏からこちらに回り込みながらそんなことを言うハンマーさん。
肝心のシャワちゃんがいないだろうと思いきや、彼女はしっかりとハンマーさんの横に捕まっていた。
……どうやら荷物の裏からでは身長差で見えていなかっただけのようだ。

「また勝手に……ていうか、どうせまだ海しか見えないわよ」

そんな私の視線に気付いたのか、ハンマーさんの言動にほとほと呆れたのか、シャワちゃんは少しムスッとした表情を浮かべている。

「それに、悪いけど私はちょっと用があるの」

ムスッとした様子とは裏腹に、「用がある」と言った彼女の言葉には若干の申し訳なさが混じっている。
どうやら本当に用事があるようだ。

「用って?」

すかさず問いただすハンマーさんに、同意するように私もと「うんうん」と頷く。

「別に隠すようなことじゃないんだけどね。実は皆に言わなくちゃいけないことがあって……その準備をしないといけないの」

「そうなんですか。私でよければお手伝いしますよ?」

「気持ちは嬉しいんだけど、こればかりは私じゃないと……」

その時、大部屋の奥にある扉(『関係者以外立ち入り禁止』と書かれている)が唐突に開いた。

扉の中から現れたのは、金髪ショートの小柄な女の子。
彼女は部屋に入った瞬間、ハッと驚いたように目を見開き、甲高い悲鳴を響かせたのだ。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!? ひ、人が一杯いますぅ!」

そしてその女の子は直ぐ様シャワちゃんの方へ駆け寄り、抱きついた。

「お姉さまぁぁぁ!!」

「フィリア!? まだ向こうにいなさいと言ってたじゃない!」

「お姉……さま?」

フィリアと呼ばれた少女は、近くで見るとシャワちゃんにとてもよく似ていた。
シャワちゃんの長髪をショートに揃え、いつもの強気なつり目を優しそうな垂れ目にし、身長を少し低くすればそれだけで目の前の少女になるのだ。

「だ、だっていつまでも一人で……不安になってしまったんですもの……」

そんな彼女は大きな瞳を今にも泣きそうに潤ませて、抱きついたまま離れようとしない。

んー、しかしあれだ。
おどおどとした表情で弱気な瞳を浮かべるシャワちゃんそっくりな彼女を見ると……。

「『どうにも少し楽しい想像をしちゃうなー』……なんて考えてそうな顔してるけど大丈夫かしら? アクアさん」

「と、とんでもない! や、やだなぁシャワちゃんったらもう!」

とんでもない所か的中である。

「アクアはすぐ顔に出るからねぇ……でもその気持ちは凄く分かるっ!」

「ハンマーさんはちょっと黙っててくださいよ! 話がややこしくなるじゃないですか!」

「ふふ……今日はやけに誉められる――」

「誉めてませんっ!」

「――なになに? 何の騒ぎって……あらら、どうしたのこの子?」

騒ぎを聞き付けてチョモさんがフレアさんとバルスさんを連れて(引っ張って)やって来た。

「バルス……お前ついに顔だけじゃなく誘拐までやっちまったのか……」

「いやいや、僕さっきまで君たちと話してたじゃないか。もし疑うとしたら明らかにシャワで……ごめんなさい冗談ですそんな目で見ないで!!」

「もう……しょうがないわね」

「これ以上騒ぎにも出来ないし」、そうため息がちに言うとシャワちゃんは、後ろに隠れていた少女をくるりと手前に押し出した。

「お、お姉さま!?」

「少し早いけれど紹介するわね。この子はフィリア。私の妹で、ついこの前まで修道院にいてやっと実家に帰ってきたばかりなの」

「み、皆さん初めまして。フィ、フィリアです……。 こ、今回はその、どうしても気球船に乗ってみたくて……す、すみません!」

彼女はペコリと頭を下げると、またすぐにシャワちゃんの後ろに隠れてしまった。

「この子は結構人見知りなとこがあって……。それに、ずっと修道院にいたから男の人とかほとんど見たこと無くてね、ちょっと緊張してるのよ。だからあまり刺激しないであげて。特に男性陣!」

「シスターさんって訳か……ちょっと感慨深いな。しかし……はぁ……初めて会った男がフレアとバルスって………。フィリアちゃん……もっとましな男は沢山いるからさ、誤解しないであげてね?」

「は、はいっ……」

「チョモ、お前な……」

「フレア……実は彼女、初めて僕に会った瞬間気絶したんだよね」

「お前……くっ……心中察するぜ……」

なにやらフレアさんとバルスさんが肩を組んでいるが、そんなことを気にしている場合ではなかった。
もし、私が昔聞いたシャワちゃんの話が本当だったなら……。

「妹さん――フィリアちゃん――が修道院から出たっていうことは、シャワちゃん……」

「ええ」

シャワちゃんは私に小さく頷いて見せると、それ以上は何も語らなかった。
きっとフィリアちゃんには何も伝えていないのだろう。

「おめでとうございます」

「ふふっ。ありがと!」

その満足そうな笑顔が、彼女の今までの頑張りを体現しているように思えた。

「さてと、紹介も終えたしフィリアはまた部屋で休んでいてもいいわよ?」

「はい、お姉さま。あ、あの……皆さん、お騒がせしました……」

「またねー、フィリアちゃん。後で話を聞きに行ってもいいかな?」

「は、はい。私なんかの話で良ければ是非……」

「ちょっとハンマーさん。あんまり意地悪したらダメよ?」

「分かってるよー。しっかしシャワも立派なお姉さんになったねぇ」

「何でニヤニヤしてるのよ!」



そんな楽しい会話をしていたのも、気球船が航路の半分を飛ぶまでだった。


「大変だ! 姉ちゃん達! 早く甲板に出てくれ!」

「どうしたの!?」

ヨルヴァ君の尋常じゃない様子に急いで甲板に出た私たちの前には、想像を絶する光景が広がっていた。


「ハンマーさん……あれって……」

「……うん。大陸のあちこちに火と煙……」

大陸のあちこちから上がる黒い煙。それが最初に私たちを出迎えた光景だった。

「……あれはモンスターによるものだけではないと思うよ。僕たちが気球船で飛び立つ前にも、巨龍騒ぎに乗じた騒動が結構起こってたんだ」

後から来たバルスさんが冷静に、拳を強く握りながら言った。

「ということは、人が……?」

「ええ……苦々しい話だけれど。ドンドルマはギルドが混乱を抑え込んでるからまだ何とかなっているけど、それもいつまで持つか分からないわ……」

シャワちゃんも、顔を強張らせている。

「そんな……」

「こりゃ早く原因を何とかしないとね……」

ハンマーさんもいつになく真剣な表情で。

皆が皆、焦る心を必死で抑えていた。

「……まずは一度ドンドルマへ。話はそれからよ」

「師匠!? ……分かりました。バルス! 操縦室に戻るわよ! いつまでもチョモさん達に任せるわけにはいかないわ」

「了解!」

そう言って走り出す二人の傍らで、ヨルヴァ君はギリリと歯を噛み締めていた。

「アクアの姉ちゃん……オイラ、ちょっと不安だぜ。こんなことになった原因の巨龍を許せねぇ! って気持ちと、そんな巨龍をオイラ達だけで何とか出来るのか? っていう気持ちがグルグルして……狩りの時のワクワク感が全然沸いてこねぇんだ」

気持ちは痛い程分かる。

「ヨルヴァ君……私も同じだよ」

「アクアの姉ちゃんも?」

「うん。でも、ここで持たなきゃならないのはそのどっちの気持ちでもないの」

「どっちの気持ちでもない……? じゃあ一体なんなんだ?」


それは私が今までかかってやっと見つけた答え。
もっとも、まだ答えを出した『つもり』であって確証はないのだけど。



「それは繋がりの持つ力を信じること。私たちが持たなきゃならないのは人間としての、ハンターとしての絆の強さを信じて戦うこと。そしてそれを築き上げたことを誇りに思う気持ち……それを忘れないことだと思うの」

「うーん……? なんか難しいなぁ」

「……私もまだ、まとめれてないみたい。でも、私がハンマーさんと出会ったように、ヨルヴァ君がモモさんとハルクさんと築いた絆は素晴らしいものでしょ?」

「それはオイラもそう思うけどさ……」

今一、ピンときてない様子のヨルヴァ君。

「なら、それを無駄なことなんかには出来ないよね?」

「当ったり前だい!! モモ姉は……あとハルクのおっちゃんも、オイラの大事な仲間だからな! 無駄なことなんか一つもありゃしないぜ!」

「おい小僧今何で……むぐっ!?」

(ハルク! 今は黙ってないと駄目だ!)

「……きっとその気持ちが一番の力をくれるはずだよ」

「そっか……何となくアクアの姉ちゃんの言いたいことが分かった気がしたぜ。ありがとな! もう大丈夫。そうと決まれば、おっちゃん! 空飛んで足がなまったらいけないから、アップしとこうぜアップ!」

「こ、ここでやるのか!? 小僧よせっ、やるなら中で……揺らすんじゃないっ!」

「二人とも! こ、ここで暴れるのは本当にやめてくれっ!」







遠ざかる三人の声を聞きながら、まだ遠い大陸を見つめていると、いつの間にかハンマーさんが横に並んでいた。

「――アクアさ、半分位自分に言い聞かせてたでしょ?」

「……えへへ、バレました?」

「何年一緒にいると思ってんの?」

「何十年も一緒みたいに言わないでくださいよ。まだ三年です」

「三年か……」

「ええ、今までで一番長い三年でしたけどね」

「まだ始まったばかりじゃん。これからでしょ、アクア」

「……そうですね。 生き残るためにも私たちの絆の力、ぶつけてやりましょうか!」




「……なかなかに臭い台詞ね」

「アンさん!? いつの間に後ろに……さっき中に入ってませんでした?」

「……瞬間移動はプロハンターの嗜みよ」

「……それは……嘘ですよね?」

「……ええ」

「……」

「……」

突っ込みづらい!
咄嗟にハンマーさんに助け船を求めて横を向いたが、すでに居なくなっていた。
まさかあの人も嗜んでいたのか……。



私とアンさんの二人しかいなくなった甲板。
そこに特に意味を感じなかった私だったが、そこでアンさんがポツリと発した言葉に私は耳を疑うことになる。








「……貴女の両親から遺言を預かっているわ」

「……え?」

甲板に流れた風が、私たちの間を強く吹き抜けていった。
『……貴女の両親から遺言を預かっているわ』


「…………え?」

ドクン、と心臓が跳ね上がる。
突然の話に頭がついていかない。

「……正確には手紙だけれどね。受け取るか受け取らないかは貴女の自由よ」


「み、見せて下さいっ!!」


考える前にそう答えていた。
何故アンさんが?
とか
何故今になって?
などという質問は端っから頭に浮かばなかった。

私は『両親の手紙』という言葉に、自分でも驚くほどに反応していたのだ。

そんな私を見て、アンさんはゆっくりとした動作で頷いた。

「……そうよね。なら、まずは貴女に今まで黙っていた理由から話さなければならないわ」

「理由……」

静かに話すアンさんの言葉に、私は徐々に落ち着きを取り戻すことが出来た。

アンさんは私の気持ちを汲んで、分かりやすく順序立てて話してくれているのだ。

「……私は貴女の両親とは昔からの付き合いでね。自分達に何かあった時のために、貴女宛の手紙とそれを渡す為の条件を聞いていたの」

「条件……ですか?」

「……ええ。まず一つは20歳の誕生日を迎えること」

それならもう満たしている。なら後の二つに理由があるはずだ。

「……二つ目に仇討ち以外の理由でハンターをやっていること。三つ目に私が認める程の人間になっていること……この三つよ」

「ちょ……ちょっと待って下さい!」

私には、どうしても聞き逃せないものがあった。

「……何かしら?」

「私がアンさんみたいな方に認められてるって言うのも夢みたいな話ですが、その前に私がハンターになった理由は……仇討ちなんです。両親の手紙を受け取る条件は……満たしてないんです……」

『……なら、駄目ね』

そんなアンさんの言葉を覚悟して、私はギュッと目を閉じて俯いた。
流石のアンさんでも知らなかったのだろう。
まさか本当にそんな理由でハンターになってしまってたなんて……。


「……勿論知っているわ」

「……え?」

私はまたも耳を疑った。

「な、ならどうし――」

「……貴女は今そんな理由でここにいるのかしら?」

静かな声が私の言葉を遮る。

「い、いえ……今は違います。でも初めの理由は――」


「……初めの理由なんか関係無いの、問題は『今』、『どうあるか』でしょう? そんなこと、何時までも背負うようなものじゃないわ」

再び私の言葉を遮った静かな声。
その声には不思議な説得力があり、私の反論は喉から先へ向かう前に泡のように消えてしまった。

「……受け取ってくれるわね?」

「…………はい」

上手く言いくるめられてしまった。
私が諦めたように頷くと、アンさんはその言葉を待っていたかのように眼で微笑み、少し待つように言い残して部屋の中へと入っていった。

とたん、風の音以外何も聞こえなくなる。

「………お父さんとお母さんからの……」

嬉しいような、悲しいような。
昔ちゃんと克服したはずなのにそんな気持ちが溢れてくる。
今でも時々、両親の死を受け入れようとしない自分が出てくるのだ。家に……今はもう誰も住んでいない家に、当たり前のように待っていてくれているのではないかと、そんな想像をしてしまう私が。

そうだ。
私は思う。
いつか割り切ろうとそう考えていたけど、ずるずると引きずっている私への絶好の機会じゃないか。

そう考えて潤みかけた瞳を擦っていると、後ろから唐突に「待たせたわね」と声をかけられた。

「……いえ、そんなことな――」

流石にもう慣れましたよ、と内心ドキドキの自分を隠すように振り向いた私だったが、そんな付け焼き刃は速攻で叩き折られた。

「な、何ですか! その大きな袋は!?」

アンさんの脇に置かれていたのは、彼女の腰程までに膨れ上がった大袋だった。地味に防水仕様のやつ。

「……貴女の両親は大層な心配性でね。『もし娘がハンターにならなかったら』とか『もし何処の馬の骨とも分からない奴と交際していたら』とか……数百通りのパターンの手紙を用意していたのよ」

ため息混じりにアンさんが言った。

「へ……?」

思わず変な声が漏れる。

アンさんのため息は後でシャワちゃんに話したところ『五年に一度つくかつかないかの激レア』だったらしいけれど、今はそれよりも私の両親へのイメージが大分崩れたのが問題だと思う。

あれ……?
もっと真面目な人たちだった気が……。


「……真面目だから故の親バカなのよ」

「な、なるほど」

もはや心の声を読まれてることに違和感を覚えなくなってしまった。

「……とりあえず、アクア。これが今の貴女に一番ふさわしい手紙よ」

そう言ってアンさんが手渡したのは、少し(センスが)古びた便箋に入れらたずっしりとした手紙だった。

「……何でこんなにずっしりとしてるんでしょうか?」

「……私が知りたい所ね」

彼女は何年もの間『これら』を持ち続けていたのだ。
その期間を私が伸ばしてしまっていたことに対し、大きな罪悪感がのし掛かって来る。
絶対に早く渡してしまいたかっただろうに……律儀に待っていてくれたアンさんを正直、申し訳無さすぎて直視できない。

「……私が好きで承諾したことだから気に病むことはないわ。それより、早く読んでしまいなさいな……風に飛ばされてしまう前に」

「は、はい」

急かされて、私は慌てて便箋を開ける。
やはり中には何束にもなった手紙が入っていた。

「では読みますね……」

恐る恐る一枚目の手紙を開く。
両親が最後に残したメッセージ……私はゆっくりと読み上げていった。

「『やっほー☆ アクアちゃん! 二十歳の誕生日はもう終わっちゃったかな? ごめんね……遅れたけど誕生日おめでとう~! パチパチ!』…………すみませんちょっといいですか」

反射で手紙を閉じてしまった。
……これ読み上げれない!

「……………ごめんなさい後は一人で読んでくれるかしら」

アンさんがお腹を抱えて悶絶している。
これもシャワちゃんにも教えたかったけれど、この事は誰にも言えそうにない。
ていうか言いたくない……。

その後も延々とやけに華やかな文章が書かれていたが、最後の一枚だけは文体が違うのに気がついた。

「これは……お父さんの字かな……『アクア、俺の言いたかったことは全部彼女が書いてくれてるから、俺は必要なことだけを書こうと思う』……間違いないですね」

「……続きを」

アンさんも既に顔を上げて私が読み上げるのを待っている。

「はい……『ドンドルマのイーゼンブルグ家を訪ねろ。俺たちが残したものがお前の力になることを願う』……イーゼンブルグって!」

「……図らずも行き先は同じということね」

「シャワちゃんの実家に何が……?」

そんな思惑が止まないまま、気球船は目的地であるドンドルマに近付いていった……。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「アンさんは入らないんですか?」

「……ええ。私は何かと嫌われているから」

「すみません師匠……すぐに戻りますから」

私達はドンドルマの外れに気球船を止めた後、徐々に混乱が増し始めている街中をフィリアちゃんを庇いながら進み、イーゼンブルグの屋敷の近くまで辿り着いていた。

「それにしても驚きよね。まさかアクアさんの御両親が私の家に……お父様に何かを預けてたなんて。世間ってやっぱり狭いのかしら?」

歩みを進めながらシャワちゃんがそんなことを呟く。

「うーん……そんな言葉で片付けちゃいけないような……。それにしてもちょっと緊張するなぁ……シャワちゃんのお父さん怖いから」

「いや……ここだけの話なんだけど、この前お父様……今度は私に『パパ』って呼べだなんて言ったのよ?」

「それは……ちょっとキツいな……」

「でしょう!? 今更何をって感じよね。……まぁ今まで敢えて厳しくしてた反動が来たんでしょう」

久し振りに出会った直後は少し固くなってしまっていたが、会話に花を咲かせている内に私達はかなり打ち解けていた。

「でも……お父さんがいるっていうのはやっぱり楽しそうだね」

「あ……ごめんなさい! ついアクアさんの前でこんなこと……」

「あっ、そんな意味で言ったんじゃないです! ただ単純に会うのが楽しみになってきてね?」

「んん……そんな期待されてもイメージ通りだと思うけれど……」

「お姉さま! パパは優しいですよ?」

「あなたいつの間にパパだなんて……! ダメよ。お父様と呼んでやりなさい」

「はい、お姉さま。お父様は優しいです」

「よろしい」

「……お父さんよりお姉さんの方が優先なんですね」

「まぁ普段はそんなものよ。立場的にも今は私の方が偉いしね」

そう言って子供っぽい意地悪な笑みを浮かべるシャワちゃん。

そんなことをしている間に、私達はすでに屋敷の門を叩いていた。

門の前には怖そうな兵士が二人立っていたが、シャワちゃんの顔を見るなり敬礼して道を開けた。

「わぁ~やっぱり偉いんだ」

「余り自慢してもしょうがないものだけどね」

流石に会話も抑え、屋敷の中を道なりに進んでいく。

地味過ぎず、豪華過ぎずの装飾に関心しつつ階段を上っていくと、シャワちゃんの足が一つの扉の前で止まった。
どうやらここがダイガスさんの部屋らしい。

「じゃ、入るわよ」

シャワちゃんはそう言うと扉を二度ノックし、重装のドアノブをゆっくりと回した。


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本編の更新があまりにも不定期過ぎますので、ちょこちょこと本編中で載っていない情報を更新していきたいと思います(`・ω・´)

初めのお題は『メンバーの装備』

今日は未だ活躍の日を見せていない哀愁の男(おっさん)、
ガンランス使いのハルクの装備について書いていきましょう。

彼の愛用のガンランスは2ndGで登場した【ブラックゴアバスター】
黒鎧竜…通称『固定砲台』でお馴染みのグラビモス亜種の素材で作られたG級武器である。

防具は同じくグラビモス亜種の素材で作られた【グラビドZ】一式。
武器も防具も見た目と重さで選んでいる節が強く、軽い防具では調子が出ないらしい。
スキルは防御力+40ガード性能+1、そして属性攻撃強化が付けられているが武器が無属性の為、常にスキルが死んでいる状態である。
……が、本人自体がスキルにほぼ無頓着なのでさほど気にしてはいない。

尚、装備購入時からしばらくはマイナススキルである「鈍足」が付いていたが本人が全く気付かず、加工屋が見るに見かねてこっそりとスキルの調整を施したことは未だ本人が知らない出来事である。

                       


                            ー次回に続くー
昨日に引き続き、『メンバーの装備』について紹介していきます。

今日は
  スラッシュアックス大好き、1/4が竜人族の少年ヨルヴァ
                                                              についてです。

彼の武器は王牙剣斧[裂雷]
防具はジンオウS一式ですが、普段は頭装備を付けていません。
スキルは力の解放+2回避距離UP雷属性強化+2挑発
マイナススキルを消していない理由は『何かカッコいいから』
ちなみに力の解放スキルは使いこなすのが難しいため、まだ発動できていない模様。
今回紹介するメンバーの装備は、狩人クライシス三人組の常識人担当弓使いのモモについてです。

彼女の武器は2ndGのG級武器龍木ノ古弓【日神】
防具は天城・覇シリーズを愛用している。
発動スキルは集中見切り+3貫通矢UPで。
前記の二人とは違い、スキルにはちゃんと気を使っているので、回復速度-1はきちんと消している。

ヤマツカミの素材を使う龍木ノ古弓【日神】を使っているが、ならばモモはヤマツカミを討伐しているのかといえばそうではなく、モモの出身である東の国(公式では『シキ』と呼ばれているが、モモの国はシキよりも少し離れた場所にある)には浮岳龍の素材が古来より貯蓄されており、それを貰い受けて強化を施している。
なので生真面目な彼女はいつかヤマツカミを討伐し、国に貢献したいと志を密かに燃やしている。
さて…なかなか本編を進められない現状なので、今回も メンバーの装備について です。

装備を紹介するメンバーは黒のギルドナイト、人呼んで変態紳士バルス

武器はトキシックジャベリン
ただし2年後の現在は邪槍ルーンネブラに強化されています。
黒いスカルフェイスが特徴的な彼ですが、防具は至って真面目なギルドバードS一式ただし色はですが
そして発動しているスキルは『不運』
バルス自体知りませんが、彼のスカルフェイスにはスキルを打ち消す効果があり、
不運のスキル以外、一切発動していないのです。

ゲームでの不運は素材が少なくなるだけですが、バルスの発動している『不運』は様々な不幸を呼び寄せています。
書かれていない場面でも、槍(トキシックジャベリン)の毒が詰まって出てこなくなったり、火山でアイルーにクーラードリンクを集中的に盗まれたり、成功率95%の回復薬グレートの調合にしょっちゅう失敗したりしている訳です。
それでも、それを不幸とも思わない精神力が彼の実力へと変わっているのです。
でも、シャワに殴られたりする理由はスキルとは一切関係ありません
今日も引き続きメンバーの防具紹介をしていきたいと思います。
そろそろ本編更新しないと色々とまずい気がするんですが、とりま、とりま……。

今回は『ハンマーさん』ことマリディア(※本人希望で小さくなっています)の紹介です。
あと、「ハンマーさんなのかマリディアなのかはっきりさせて欲しいという」要望は全く来ていませんが、
困惑されるといけませんので自分で質疑応答させてもらいます。
今のところは「ハンマーさん」で統一して頂きたいです。

さて、彼女の愛用武器は【夜行槌[常闇]】、装備はナルガS一式
頭装備はうっとうしいそうで付けていません。
発動スキルは回避性能+2回避距離UP砥石高速化
とにかく避けるのが好きで、今はどこまで避けれるかを挑戦中の彼女。
蝶のように舞い、蜂のように刺すのが夢らしいですが、今現在が蜂を通り越して重機に近い働きをしてるため、
目標の成就は遠いのです……。

                                      次のページへ→
ギィ、と木材と金属の擦れる音がして、明かりはあれどまだ夜の暗さを抱え込んでいた廊下に、部屋の暖かな光が溢れ出た。

「お父様、入るわよ」

「お父様しつれいします」

「し、失礼します」

先に入って行った姉妹の後に続き、私も部屋に足を踏み入れる。

「む……シャルにフィリアか」

渋く低い声が、部屋の奥から聞こえてきた。
彼女らの声に気付いて顔を上げたダイガスさんは、部屋の奥にある机で書類を読み込んでいる最中であった。

「わ……すごい」

私はつい驚くように部屋を眺めてしまった。
ギルドの集会所と間違える程に大きな部屋。
その一面に壁代わりの本棚が置かれており、唯一本棚が無い場所には嵌め込み式の大窓が一つ、月明かりを招き入れている。
その他の家具は大窓の前にあるダイガスさんの使っている作業用の机と、客用であろう椅子とテーブルが空いた部屋の真ん中にポツリと置かれているだけ。
書斎なんてものではない、図書館と呼んでもおかしくない程の見事な部屋だった。

「よく帰ったな。予定よりも遅かったから心配していたのだぞ」

そんな空間に一人溶け込んでいる彼には、以前ユクモで見た粗暴な印象はまるっ見受けられない。
私の認識は既に博識で厳格な男性という印象に変わっていた。

「……だがフィリアよ、何故私の呼び方が変わっている? パパと呼びなさいと言っただろう!」


「………」

博識で厳格な印象を受けなくなった。


「はい。でもお姉さまがよくないって言ったのでやめました」

「何……だと……? シャルワナ! またお前は私の……私の楽しみを一体何だと――!」

「そんなこと知らないわよ! ファザコンにしても程があるわっ! それよりもほらっ、お客様よ!」

「何っ?」

たった今気が付いたようで初めて私に目を向けるダイガスさん。

「ど……どうも」


どうも私が人に持つイメージというのは崩れやすいようで。
ちょっと気まずい雰囲気の中、取り敢えずエヘへと笑ってみせる私。

「……それは失礼した。む、確かユクモにいたハンターの一人だったな?」

「お久しぶりです。アクアと申します。実は私の両親から遺言を預かっていまして――」

私は早速手紙の内容をダイガスさんに話した。
時間も母の尊厳を陥れようとする気持ちも無かったので、手紙の内容は少し(九割大)割愛したけれど。

ダイガスさんは私が話し終えると同時に苦々しい顔をして、大きくため息を漏らした。

「なるほど……お前が『奴等』の娘だったのか。確かに、忌々しくも面影があるか。それに……いや、それは後だ」

『奴等』……?
ダイガスさんと両親は親しい間柄では無かったのだろうか?

「ダイガスさんと私の両親の間に何かあったのですか……?」

「それについては話すことは何も無い」

質問は予測していたのだろう。質問はすっぱりと切り捨てられてしまった。

「そうですか………」


気を落とした私に「だから」とダイガスさんは続けた。

「結論から言ってしまおう、確かにこの家にはお前の両親からの預かり物……形見がある」

「本当ですか!?」

「ああ。それに関しては遺言通りお前に渡すとしよう。ただし、私から一つ条件があるがな」

「条件……ですか?」

「あぁ……何、手間は取らせん」

そう言うとダイガスさんは一人の使用人を呼び出し指示を出すと、大きな箱が二つ台車に乗せて運ばれてきた。

「……アクアよ、その前に背にある太刀を私に見せてくれないか」

箱が運ばれて来るのを見届けた後、ダイガスさんは席を立って私たちの方に歩み寄りながらそう言った。

「は、はい。……どうぞ」

渡したのは私が長年愛用している太刀『霊刀ユクモ・真打』。
以前クシャルダオラと戦った時に破損してしまったが、ポッケ村の加工屋さんに再び叩き直してもらった代物だ。

「ふむ……」

それ受け取ったダイガスさんは刃を鞘から抜き放ち、一通り眺めた。

「………はぁ」

そして一言、聞き間違えたんじゃないかと思うような一言を私に言い放ったのだ。


「よくも今まで、こんなもので生き残って来れたな」

そう言って、




私の太刀を叩き折ったのだ。



「――――――っ!?」


驚きで声が出なかった。


「お父様!? 一体何を!? アクアさんがどれだけその太刀を大事にしてたか分かって――え? 何よ!? 何で止めるのよアクアさん!?」

「……待って」

呆然となりながらも、今にも父親に掴み掛かろうとするシャワちゃんを止めながらも、必死に頭を働かせた。


凄まじい違和感が私を襲っていたから。


「……違う」


そして気付いた。

「何が違うのよ!? 現にあなたの太刀が折られてるのよ!?」

「え? え? え?」

フィリアちゃんは何が起きてるのか分からないようで私たちの後ろでオロオロとしている。

「……おかしいんです」

「おかしいってどういう―――あっ……」

どうやらシャワちゃんも同じことに気が付いたようだ。


今、私たちが見たのがどれ程『あり得ない』光景だったのかを。




ダイガスさんは今、私の太刀を折った。


飛竜の堅固な甲殻を切る為の、耐久性は折り紙付きのハンターの武器を『素手で叩き折った』のだ。


こんなこと、私の太刀に何か理由があったからだとしか考えられないのだ。


改めてダイガスさんの方を向き直る。


すると彼はゆっくりと、確認するように口を開いた。

「……加工屋に何か言われなかったのか」

「い、いえ……」

「この武器、ユクモ村の伝統武器だろう?」

「はい……そうです」

「それを別の村で強化した……そうだな?」

「……」

黙って小さく頷く。
何となく、理由が分かってきた。

「その村の加工屋の技術は素晴らしかったのだろう。この武器をG級でも扱えるように鍛えられている。だが、元は異国の技術で作られた武器……僅かずつだが軋轢が生まれていたのだ」

「確かに……太刀の強化にはユクモの堅木でなく、他の木材を使ってもらいました」

ユクモの堅木を入手するためにはユクモ村に依頼をしなくてはならない。
当時の私はそれを嫌がってポッケ村の加工屋に無理を言ったのだ。

「理由は他にもあるだろうが、恐らくはそれが一番の原因だろう」


ダイガスさんの言葉が深く胸に突き刺さる。
メンテナンスにも、折れた時の修理にも私は太刀に本来の素材を使ってはいなかった。
もしこのまま討伐に向かっていたら……考えだけでも背筋が凍る。
だけど何でダイガスさんが……? そう考えているとダイガスさんはふん、としかめっ面をして(この仕草はシャワちゃんとそっくりだった)、箱の一つに歩を進めた。

「……両親に感謝することだな」

「………え?」

言葉の意味が分からない。そんな私の様子にダイガスは再びため息をつく。

「全く……。何処までが奴等の考えか……考えるのも恐ろしいわ」

そして一つの箱を勢い良く開け放ったのだ。

「これは……!?」


箱の中身に私の目は釘付けになる。


太刀。


それも相当な代物だという雰囲気を纏わせた一振りが、丁重に仕舞われていたのだ。

「『九十九牙丸(つくもきばまる)』と呼ばれる物らしい。お前の両親が預けた、生産法も何もかもが不明の東国の業物だ」

「アクアさん……太刀の素人の私でも分かる。これ……かなりの武器よ」

「ええ……」

恐る恐る手に取ってみる。ずっしりとした重みが腕に掛かる……鞘を抜くと、吸い込まれる様に鋭利な波紋が刃に刻まれていた。

「こんな太刀を私に……? でも両親は私が太刀を使うことなんて知らないはずなのに……」

「……さぁ、アクアよ。余興の時間だ、『これ』をその太刀で切ってみろ」

ダイガスさんは私の言葉を無視してもう一つの箱に手をかけた。
入っていたのは金属光沢を煌めかせた、一抱えもあるずんと重々しい黒い塊。

「これ……ウラガンキンの顎ですか!?」

「そうだ。とある商人から仕入れた代物でな。その太刀ならば切ることが出来るはずだ」

固い甲殻を持つ爆鎚竜の部位の中でも特別固いと言われている顎。
いくつもの鉱石を溶岩の熱で塗り固めて作られたそれは万物を弾かんという光を放っていたが、ここで引く訳にはいかない。

「や……やってみます」

そう言って私は太刀を上段に構える。
腕先から太刀の先端まで、身体の延長と思えるまでに意識を張り巡らせて集中させた。

「やぁぁぁぁぁ!」

気合いと共に九十九牙丸を振り下ろす。

「!?」

「アクアさん!?」

嫌な金属音が部屋に響いた。

振り下ろした太刀は飛沫を飛ばし、再び上に上がっている。


弾かれたのだ。


ダメだった……一瞬諦めかけた私だったが、そこであることに気が付いた。

「飛沫……? この太刀……水属性なんですね」

「……そう言えば、お前の母親はやけに水属性の武器を愛用していたな。何やら水属性を扱うことに長けた体質だとか言っていたが……まぁ、信じるには値しない話だがな」

「お母さんが……」

そう言えば今まで水属性の武器を使ったことは無かったな……もっと水を意識しないと。
そう考えながらもう一度、太刀に意識を浸透させる。
意識を水面に広がる波紋の如く広めるように。

さっき飛沫が上がったのは水の属性を上手く扱えていなかったから。
もっと集中して……切っ先に水の力が加わるように……。


「はぁぁぁぁぁぁ!」


「むっ」


再び振り下ろした太刀は、浮き上がることはなく、飛沫も上がらなかった。
しかし私も結果が怖くて頭を上げることが出来ない。



「やった……やったわよ! アクアさん!」

「………」

シャワちゃんの歓喜の声に恐る恐る顔を上げると、そこにはしっかりと二つに割れた塊があった。

「やった………!」

思わず喜びの声を上げると、ダイガスさんはやや悔しそうな顔をした後に腕を組んで後ろを向いた。

「条件を満たしたからには仕方ない。とっとと持って行ったらどうだ、時間が無いのだろう?」

「もう! お父様のせいなのに!」

「……ありがとうございました。さ、シャワちゃん行こう」

「そうね……」

「フィリアちゃん、騒がしてごめんなさいね」

「と、とんでもないです。お姉さまたちも頑張ってください!」

「ありがとう。また会おうね」

「じゃあ、いい子にしてなさいねフィリア」

そう言って私たちが部屋を出ようとすると、後ろからシャワちゃんを呼び止める声がした。

「……何? お父様」

「………いや。……やはりお前も行くのか?」

「当たり前でしょ! 大事な友達との約束なのよ?」

「そうか」

その後、ダイガスさんは一瞬黙ったが、後ろ向きのまま言葉を続けた。

「……今度は早めに帰って来るんだぞ」

と。

「……もちろん。フィリアを待たせたりはしないわ!」

ふふ、と胸を張ってそう言ったシャワちゃんは、何故かとても嬉しそうに笑っていた。


                                       
無事に第六話が投稿できましたが、引き続き本編の更新が無い日は寄り道ガイダンスの更新をしていきたいと思います。

ひとまずはメンバー全員の防具を紹介していき、それが終わりましたら世界観の補足等をしていきたいと思います。
※そんなもの書く暇があったら本編進めろとは言わないで。

今回はつっこみ兼主人公、太刀使いのアクアについてです。

現在の武器は3Gで新しく登場した【業物・九十九牙丸】
3Gの舞台は取り入れない予定でしたが、武器、防具については多少導入することに変更しました。
(※3rd→2ndGへの移動によるバランス調整も兼ねています)

さて、防具はトレードマークでもあるユクモ・天シリーズ。
頭のみ三眼のピアスを装備していますが、これらはどちらも3rd使用となっています。

なのでスキルは神の気まぐれ砥石使用高速化体力回復UP精霊の加護回避性能+1(※護石使用)
と何とも祝福を受けたようなスキル仕様になっていますが、
本当に受けているのかは定かではありません

最終章の第六話で書かれたように、体質的に「水属性攻撃強化」のような力を秘めていることが分かり、多少は主人公のような特殊感が出てきましたが、それ以外の部分でも独自のリーダー性を持ち始めてもいるのではないかと、自分の予想以上に成長見せるアクア。
そんな彼女の活躍にこれからも是非ご期待下さい。
皆様、こんにちは。楽太郎でございますm(__)m

今回は本題に入る前に一つ報告があります。

この度、ガイドポストシリーズの一話から見直し、世界観・時系列で不自然な点を見つけ変更するリメイクを施行しました。自分がこの作品に掲げた目標は、より良い物語を作り上げるということです。
昔の作品に手を加えることに反対の人がいるかもしれませんが、しっかりと筋の通った物語を作り上げる為なのでどうかご了承ください。

ちなみに現在リメイクしたのは一章の第五話まで。
興味が沸いた方は「仕方ないな」という気持ちで再度閲覧していただけたら嬉しいです。


さて遅れましたがメンバーの防具紹介をやっていきましょう。

今回紹介するのは、ギルドナイトの騎士団長。
大剣使いのフレアです。

彼の基本装備はバルスと同じギルドバードSシリーズ。色は当然のごとく赤。
武器は愛する火属性武器【焔剣リオレウス】。(※加工屋で大幅なブースト強化がされているため、威力は輝剣リオレウスと同等)

スキルは広域化+1捕獲達人捕獲の見極め攻撃力UP大(護石使用)。


他者を護るのがギルドナイトの役目の為、基本スキルはサポートがメインのギルドバード装備。
しかしフレアはそれに満足いかなかったのか、無理やり攻撃力UPのスキルも付けています。

同期の黒いギルドナイトに比べると大分スキルに違いがありますが、これも騎士団長の貫録故なのか……(適当)






さてさて、今回も元気に装備紹介のコーナーです。

第8回目のメンバーは天山の女神こと、ギルドナイトの(攻撃的)サポート笛使いのチョモさんです。

彼女もギルドナイトの為、現在の防具は安定のギルドバードS一式
スキルは広域化+2、捕獲の名人、捕獲の見極め、笛吹き名人(護石使用)。
本来は男性用の装備なのですが、本人が気に入ってしまった為副団長の権利を乱用して身に付けています。
(ただ単にフレアとお揃いが良かっただけとの噂もちらほら)

しかし、同じ装備を三人も身に付けているのにこのスキルの差は一体何なのか……。
個性とは恐ろしいですね。

ちなみに武器は【アヴニルオルゲール】
旋律よりもピザカッターのような形状がお気に入りのようで、日々斬撃を繰り出せないかフレアで実験しようと企んでいるようです。
こんにちは、寄り道ガイダンスのコーナーです。
土曜日だからと言って本編が更新されるんじゃないかと思った方がいるかもしれませんが、
そんなことありません(本当にごめんなさい)。

メンバーの紹介枠も残り少なくなってきましたが、今日もしっかりやっていきたいと思います。

さて、今回紹介するのは ―異国のイャンクック少女― 双剣使いのルシャです。

159be28b.jpg

彼女の装備はクックX一式。実は非公式のG級ハンターなのです。
武器は【アイルー様メラル―様】
本来麻痺属性が微量に含まれるだけの装備ですが、武器に独自の改良を加えたことにより様々な状態異常を容易に引き起こせる強力な武器に強化されています。

スキルは状態異常攻撃強化ダメージ回復速度+1自動マーキング

出身は2ndGの大陸ですが、詳しくはまだ不明。
今後の話で触れていこうと思います。
こんばんはになりますねm(__)m

寄り道ガイダンスの前に次の本編更新予定についてお知らせしたいと思います。

更新は来週中……です!
来週の予定がまだ分からないので詳しくは予告出来ませんが、来週のどこかで更新出来るように間に合わせたいと思います(;・`д・)

では今日の装備紹介をしていきましょう。
今回のメンバーは天才少女にして貴族の長、 ライトボウガン使いのシャワです。

彼女のメイン武器は朧銀の連弩
防具はブナハS一式
スキルは状態異常攻撃+1装填速度+2麻痺無効龍耐性【小】

バルスを畏怖させる彼女の腕力はアンさんの修行の副産物。
ちなみにアンさんから学んだ(盗んだ)ボウガンの組み立て技術はまだ本人には及ばないものの、かなりの水準にまで達しているので、戦闘では様々なボウガンを組み合わせた戦い方を支障が出ないレベルですることが出来るようになった。
少し忙しい時期に入ってきましたが、引き続き更新を続けていきたいと思います。

今回紹介するのは伝説のプロガンナーアンさんです。

彼女の現在の装備はブランゴXシリーズ。
他の装備を付けている時もブランゴXの頭装備は外しません。
武器は毎回様々なパーツを組み替えているので、その時その時で違います。
スキルは属性攻撃強化最大弾数生産耐雪精密射撃


いつか、全ての弾を撃てるボウガンを作り上げるのが彼女の夢。
その為に「とあるモンスター」を追い求めているのですが、それは後々に分かってくると思います。
こんばんは、今日もメンバーの装備紹介を……と思いましたがこれ以上はネタばれになってしまう恐れがありますのでやめておこうと思います(´・ω`・)

じゃあ何をするのか?

本編更新でしょ! ……とは言えないのが自分のクオリティ(ー"ー;)


そんなわけで今日はシリーズの脇役キャラの紹介をしようと思います。

今回の人物はギルドの受付嬢をしているシャワの友人、シェリーについて。
彼女の専門は上位ハンターの受付ですが、ドンドルマや近くの街でも活動していることから複数の仕事を兼任しているように思えます。実力も相当だと見受けられるのでもしかしたら裏の仕事も引き受けているのかもしれません……。ちなみに謎の多い彼女の年齢はシャワよりも年上であるという以外は不明。
そんな彼女の活躍がまた来ることをどうかご期待下さい。

報告

2013/04/25

先日から更新が滞って申し訳ありません(;一_一)

現在少し忙しくなっておりパソコンに向える時間が少なくなっているのです(汗)

本編のほうは順調に書き溜めが進んでいますので、どうかお待ちください……(`・ω・)
「お待たせしました!」

「……あら、武器が変わってるわね。びっくりだわ」

外で待っていたアンさんは合流するなり私を見てそう口を開いた。

しかし、びっくりしたとオーバーに両手を広げている割りには眉ひとつ動いてない。
しかも夜の暗さで武器などろくに見えないはずなのだけど……。

「アンさん……ひょっとして知ってました?」

「……さぁ、一体何をかしら?」

「…………」

フイッと目を(わざとらしく)反らすアンさん。
何故こんなにも疑わしいのだろうか。

「ちょっと、師匠もアクアさんも話してないで急いで! 予定よりも時間が掛かっちゃったんだから!」

「あ、ごめんなさい!」

シャワちゃんに急かされながら、私達は気球船までの道を走り始めた。

「え!?」

「うぉ!?」

しかし、気球船まであと少しという所で前から急に飛び出してきた何者かにぶつかってしまったのだ。

「いたたた……」

反動で後ろに転んでしまっが、幸いにも尻餅だけで済んだ。

「アクアさん大丈夫!? ちょっと誰よ危ないじゃない!」

「わ、悪ぃ! 急いでたもんでな」

すると驚いたような男の人の声が上から聞こえた。
結構な勢いでぶつかってしまったのだが、どうやら倒れたのは私だけらしい。

「す、すみません!」

謝りながら上を見上げると、目に映ったのは見覚えのある紅い長髪。

「フレアさん……?」

「ちょっとフレア、ちゃんと前見ないからぶつかんのよ!」

後ろからチョモさんの怒鳴り声もする。
気球船にいるはずのギルドナイトの二人だ。

「何だ……アクア達かよ。おい大丈夫か?」

「あ、はい。ありがとうございます」

フレアさんが差し出してくれた手を掴んみながらお礼を言う。

「ちょっとフレアったら無視!? もうギルドナイト失格! その地位よこせ! しかも何よ紳士ぶってさ!」

ぴょんぴょんと跳ねながらフレアさんの後ろで文句を言うチョモさん。

「……それにしても遅かったじゃねぇか。何かあったのか?」

しかし彼はまるで聞こえないかのように会話を続ける。

「おいこらフレアー!」

「私の父がちょっとね……。貴方達もしかして探しに来てくれたの?」

「それもあるんだがな、実は予定に少し変更があったんだ」

「予定の変更ですか?」

「ああ。ハンマー達とも話し合ったんだが、実は………ぐっ……!?」

突如としてフレアさんの後ろから二本の腕が生え、ぎりりと彼の首を締め上げた。

「時間が無いとこ悪いけどさぁ……無視されちゃうと私もちょーっと寂しいんだよねぇ?」

ミシミシ…と、首からしてはいけない類いの音が聞こえてくる。

「……ぐ……わ、分かった………謝る……あやまるから……っ!」

「ならよろしい」

「げほっ……はぁはぁ……」

スッと腕が後ろに消えると同時にフレアさんの顔に血の気が戻っていく。

「ちょっと! なんで皆この忙しい時に遊びたがるのよ! しっかりしなさいよもう!」

ついにシャワちゃんの怒声が路地に鳴り響いた。

少し弁解したいところだったが、イライラしてるシャワちゃんには触らぬが吉だ。
バルスさんならこの段階でもう殴られてる。

「と、とにかくだ。俺たち二人はここで降りることにした」

「え? それってどういう――」

「……シュレイドに向かうのね?」

私が質問する前に後ろにいたアンさんが口を開いていた。

「……そうだ。黒龍ともう一匹、紅龍の場所が火山の奥地だと特定出来てな……俺らはドンドルマでギルドナイトをかき集めてシュレイドに向かうことにした。……シュレイド城に現れた黒龍はハンターズギルドの宿敵だからな」

その話なら聞いたことがあった。
ギルドの掲げる龍のエンブレムは黒龍討伐の意思を表したものだという話。
単なるおとぎ話だと思っていたけれど、この現状なら真実だと分かる。

「……残りは私達が引き受けるということね」

「塔にしても火山の奥地にしても、地形的に多数で挑むことは出来ねぇからな……少数精鋭で頼むしか無いんだ」

「場所の特定が出来ても喜べる情報は無いんですね……」

「そんな弱気になんないでよアクアちゃん! 逆に考えるんだ、奴等も狭いとこで動かなきゃならないと!」

フレアさんの体ががぐいと横にずらされ、チョモさんがようやく姿を現した。
どうやら難しい話はフレアさんに一任してたらしい。

「確かに、前向きに考えないといけませんね」

「そうそう。アクアちゃんは難しく考え過ぎなんだから、普通の狩りみたくリラックスしていきなよ」

「普通の狩りもそこまでリラックス出来るようなものじゃないんですけどね……」

苦笑いしながらそう答えるも、いつもの調子のチョモさんを見ている内に緊張はほどけていた。

「てな訳で早めに騎士団の連中を集めなきゃならないんでな、悪いが俺らは先を急ぐぞ」

「アクアちゃん達も頑張ってね! 全部終わったら皆で祝杯を上げよう!」

「……それって死亡フラグになりませんかね?」

「……私、この戦いが終わったら結婚するんだ」

「それもです。ていうか嘘ですよね」

「ここは私に任せて先に行くんだぁ!」

「それもですけど、ここで言うのはおかしいですよね!?」

「こんな奴等と一緒にいられるか!私は自分の部屋で寝るわ!」

「それは主にミステリー物でしか使えませんから!」

「ならねぇ………っ! ………ふ、フレア早く行こうか。じゃあね皆!」

「おい何いきなり慌てて…………っ!? そ、それじゃあ頑張ってくれよな! ……おいチョモ早く逃げるぞ!」

「あれ? どうしたんでしょういきなり慌てて……………あ」

「………始めに言っておくけど、私は何もしてないわよ?」

私が最後に見たのは後ろで真っ赤になって震えていたシャワちゃんの姿だった。

「あぁもう!! 静かにしろって言ってんでしょうがあんた達はぁぁぁぁぁぁぁ―――――!!!!!」


シャワちゃんは大人びたのではなくただ我慢強くなっただけだったのだと、私はこの後猛烈に反省することになる。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「……という訳で何とか気球船まで戻ってきた訳です」

「それが僕の殴られた理由の説明になってるとは到底思えないんだけど?」

「いやいや、ここは無事にシャワちゃんから生還したアクアを誉めるべきじゃない?」

「ちょっと私をモンスターみたいに言わないでよ!」

夜も深くなった頃、気球船の中ではそんな会話が響いていた。
(結局夜も遅いということで飛行は断念。
出発は明日の朝、日差しと共にということになっていた)


「ごめんなさいバルスさん……あのシャワちゃんを止められるのはバルスさんしかいなかったんですよ」

「結果止められてはいないけどね……?」

バルスさんはヒビが入り腫れ上がった頬を撫でながら言った。
その間にもそのヒビは修復されている……本当に不思議な装備だ。

「それにしても、本当にそのメンバーで大丈夫でしょうか?」

私は改めて口を開いた。
先程聞いた明日の決戦についての話だ。

「うん、火山方面にはモモ、ヨルヴァ、ハルク、そしてアンさんの四人が。そして塔にはバルスとシャワ、アクアに私が向かう。ヨルヴァ達にはアンさんが着いてくれるって言うし、そこまで心配は無いんじゃないかな?」

「……私としては塔の方に興味があるのだけど、彼らだけに任せるのはね」

……優先順位は間違えられないわ、と若干残念そうなアンさんの目線にはヨルヴァ君達が映っていた。

「んげぇ……もうポポノタンは一杯なんだってば……」

「ううん……ダメだ……そんなこと認めないぞ……」
聞いたところ、三人はどうやら待ちくたびれて寝てしまったらしい。
私たちが帰ったときには既に毛布がかけられていた。
むにゃむにゃと眠るヨルヴァ君。こんな少年が有能なハンターだとは誰も思わないだろう。
ハルクさんは咆哮のようないびきを上げている……。

昼間は平気そうにしてはいたが、(ハルクさんはともかくとして)残りの二人にはかなりの負担が溜まっていたのだろう。
まだチームを組んでわずかの期間で、歴史に刻まれている程のモンスターと戦わなければならないのだから当然だ。

「でもアンさんやハンマーさんが見込んで、……それに私だって信頼してるんだから頑張ってくださいね?」

そう言ってヨルヴァ君のずれた毛布をそっと直すと、彼は年相応のくすぐっそうな笑顔を見せた。
いい夢でも見ていればいいのだけど。

「明日は先に火山に向かって、塔に向かうのは最後なんでしたっけ?」

「うん。僕がいないと操縦がもう誰も出来ないからね」

バルスさんが少し得意気に言う。

「あれ? シャワちゃんの気球船なのにシャワちゃんは操縦出来ないんですか?」

「……墜落してもいいならやるけど?」

「彼女は操縦席に立たすと固まっちゃうからねぁ」

苦笑がちに言うバルスさんをシャワちゃんはギロリと睨むがそれ以上は何も仕掛けない。
どうやらシャワちゃんの高所恐怖症はまだ健在らしい。

「さてと、じゃあ私たちもそろそろ寝ようか? 明日に備えてね」

ハンマーさんはあくびをしながらそう言うと、すぐに毛布にくるまり始めた。

「あれ、もう寝ちゃうんですか?」

「ん、元気は蓄えといて損はないからね」

いつもなら一番遅くまで騒いでるハンマーさんが珍しいものだ。
そんなことを考えていると彼女は更に珍しいことを言ってきた。

「ねぇアクアー、今日くらい一緒に寝ないかい?」

「えぇ!? どうしたんですか急に……まさかハンマーさんともあろう人が緊張してるんですか?」

「まっさかぁ! アクアが寂しがるだろうと思ってねー。……嫌かい?」

「えーそんなことないんですけどねぇ。……まぁ、今日くらいは甘えておきましょうか」

「あ、ずるい。なら私も混ぜてよ」

「なら僕もー! なら僕もー!」


結局、私たちは三人で枕を並べて寝ました。
特に語らうこともありませんでしたが、いつもよりも安らかに眠ることができた気がします。
ハンマーさんがやけに大人しく少し心配になったけれど、すでに寝入ってしまったようで静かな寝息が聞こえていた。


ちなみに、バルスさんはす巻きにされて甲板に放り出されました。
流石に擁護の余地無し、です。



明日何が起きるか、待っているか、帰ってこれるのか。
そんなことを考えながらいつしか私は眠りに落ちていた。



そして、決戦の日が明ける―――

お知らせ

2013/04/29

第一章の一話、第二章の三話と四話に若干の変更を行いました。

それと本編の更新日はまだ未定……(;一_一)
うまくまとめられれば来週にでも上げることも出来そうなのですが、回り道大好きなメンバー達が言うことを聞いてくれるかどうか……頑張ります(;・`д・)
ある大陸、ある森に小さな村があった。

その村には他には無い特異な伝統が存在した。



とある生き神を祀る――そんな伝統が。



その伝統は昔より受け継がれる悪質な妄想などではなく、その生き神が村の守り神であるという根拠があった。




――何十年に一人、神と会話の出来る人間が産まれるのだ




その人間は神の一つ下の位に着き、村人の声を神に届けた。
そして神の声を村人に届け、村人は神からの恩恵を授かった。

そのお陰で森深くの村にもモンスターは寄り付かず、果実の実りや作物の育ちも良い。
村人は恵まれた穏やかな生活を過ごすことが出来ていた。

それに神は代償を求めなかった。

村人が恵みを喜ぶならそれでいいと。

村人は大変感謝した。




そんなある日、新たに一人の神に選ばれし子供が産まれた。

丁度代替わりの時期を案じていた村人達は大変喜んだが、そこに一つの問題が浮かび上がった。

その子供は時が経つにつれて人よりも神の方に心を開いていったのだ。

村に作られた家に住み着かず、森を探索し、神と共に自然を学び、自然を愛した。



神を母親のように慕う子供を村人は次第に恐れ始めた。

いつの時も神の加護を受けた人間は村人の味方だった。
だがしかしその子供は神と異常とも呼べるほどに親しくなっていた。

――その子供が神に何か良くない事を吹き込むかも知れない

村人達はそんなことを考え始めその子供を畏怖し、いつの日からか神に対しても疑心暗鬼に陥っていった。


そんな時だある。
一人の村人が口を開いた。


――神も外にいるモンスターの一体で、いつ日か油断させたところを襲いに来るのではないか

――あの子供がそれに歯車を掛けているに違いない

と。


そう言ったのは子供の父親であった。


その後、村人達は次々に武器を持って立ち上がった。


彼らはただきっかけが、理由が欲しかっただけなのだ。

我々は我が身を守るだけなのだ、と。
それならば罰は下らないだろう、と。


そんな矛盾した反撃に神と子供は困惑した。

優しかった村人達が恐ろしい顔をして向かって来る……これは何なのか、と。

戸惑いながらも、優しい神とその気持ちを理解している子供は、村人に手を上げることは出来なかった。
曲がりなりとも今まで愛して、守ってきたものだったから。


村人達に追われ、傷だらけになりながらも子供は神と共に森を走った。



いつまでも追いかける村人達。
何が彼らをあそこまで駆り立てているのか、子供には理解出来なかった。




そして遂に追い詰められ、死を覚悟した時。
村人達は皆崩れるように倒れ込んだのだ。




――別に助けた訳ではありませんよ。ただ彼らが見るに耐えなかっただけです。


そう言って木陰から現れたのは、奇妙な被り物をした奇妙な女性だった。


礼を言い、ついでにその被り物は何なのかと尋ねた子供に、女性は平然と答えた。




――――――――――――?




そう言い切る彼女を見て、子供は――少女は初めて人間と触れ合えた気がした。
村人達はいつも自分の後ろの「彼」を見ていただけだったから。


少女はその女性に刷り込まれた幼鳥の様に慕い、離れろと言われても付き歩いているうちに何時しか親しい仲になっていった。

もともと無邪気な性格だった少女は彼女の教える外の世界の知識をすぐに吸収していった。
旅をしているという彼女の目的は少女が最も共感出来るものであり、少女は友人であり親である神と共に協力を惜しまないと誓った。


ルシャ。
その後、名前の無かった少女を女性はそう呼ぶようになる。

後にルシャは、友である神には沢山の同族がいることも学び、友がその中でも特に巨大なのだということも知った。


ただただ恩人である彼女の助けになりたかった。
中には疑問に思うようなこともあったが、ルシャはそれに異議を唱えようとはしなかった。

やがて、強大で禍々しい龍と対峙して、勝利を納めた。
彼女はそこで目的を達成するための強力な力を手に入れた。


――私はたとえ憎まれようと、最後には皆が笑っていられるような世界を作りたいんですよ


その晩、彼女はルシャと夢を語り合い、笑いながら夜を過ごした。







彼女が笑ったのはそれが最後だった。












後にルシャは思う。
あの時既に、もう後戻りの出来ない所まで来てしまっていたのではないかと。

それでも、とルシャは思う。


彼女には不幸になって欲しくない。
ルシャは今も異議を唱えずに、彼女の傍らに付き従っている。
彼女の先にあるものを守るために。




それはかつての村人が自分にしていた事だと、少女はまだ気付いていない。

プロフィール

楽太郎

Author:楽太郎
モンハン好きの誰しもが自分の『世界』を持っているはず。この話はそんな世界の一部分です。
楽しんで読んでもらえたら幸いですね
(・◇・@)

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