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ガイドポストは龍の調べ ~Lost memory´s~ 第八話

2012/12/04

フレアさんは私に気付く余裕も無かったようだ。

「………」

その様子に急な不安に襲われて、私は反射的に彼を追いかけていた。


「はぁ……はぁ……足はや……」

ダッシュするフレアを猛ダッシュで追いかけ、辿り着いたのは村の広場。
広場には何かを話すフレアさんとシャワちゃんの姿があった。

(いつもならこんなことしないんだけど……)

私は二人の死角になるようにして近くまで移動し、聞き耳を立てた。
何故か聞かなきゃいけない気がしたのだ。

「――これは俺の勝手な憶測だが、恐らく間違っちゃいないはずだ。バルスと……ハンマーの過去についてのな」

バルスさんとハンマーさんの過去……?
バルスさんとはつい最近出会ったばかりのはずじゃ……?

そんな疑問が後を立たなかったが、私は気持ちを落ち着かせて続きに耳を傾けた。














聞かなければ良かったのかもしれない。
……最近後悔ばかりだ。



フレアさんの仮説が正しければ。
本当に正しいのなら。
ハンマーさんの命はとても細い糸で繋がれているようなものだ。

人の記憶なんて、何時ふと思い出されるか分からない、とても不安定なものだ。怪我とは違って、するのは一瞬、治りは遅い。
なんてことは限らない。

「そんな……」

口を手で押さえ、大きく目を見開く。

私は目眩にも似た気持ち悪さを感じ、その場にへたり込んだ。

だってあの人の笑顔が失われるなんてこと、今まで考えもしなかったのだ。

どこまでも元気で。
明るくて。
活発で。
そんな彼女の存在がそんなに儚いものだったなんて。

「人」の「夢」と書いて、『儚い』。

昔誰かから聞いた言葉だったが、今ようやくその意味が分かった気がした。


――チャプリ。

「っ!」

近くで水の音が聞こえた。気の動転していた私はビクリとその方向へと顔を向ける。


慌てていて気付かなかったけど、私の側には池があった。
岩で囲まれた、風流のある小さめの池。

「あ……」

そこに水滴を溢しながら男が、黒い男が――バルスが立ち尽くしていたのだ。

「………」

バルスは池に写った自分の姿を黙って眺めた後、――恐らくだが私に向けて――こう言ったのだ。

「彼女をよろしく頼むよ?」

「バルスさんっ!?」

彼が盛大に頭を岩に打ち付けたのは、その後すぐのことだった。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇






その後のことはよく覚えていません。

シャワちゃんはバルスさんをどうしたのか。
フレアさんもチョモさんもいつも通りで。
ハンマーさんも元気になった今、大事なことはみんな上手く胸の奥に仕舞い込めたみたいです。
上手く、深く。


「アクアどうしたの? 元気ないぞー? あ、私がいなくて寂しかったんでしょー!」

「ちっ、違いますよ! 私ずっと温泉でぬくんでましたからね!」

「聞いたよー? 必死で探してくれたんでしょ? ありがとね。そしてごめん……もうあんなことしないから」

「……本当にですか?」

「うん。本当」

「……なら許しましょう」

「許して貰えたー! ありがとアクア!」

「わっ!? ちょっと抱き付かないでくださいよ!?」

「おーおー仲睦まじいことで」

「お前ら、式には呼べよ?」

「フレアさん! チョモさん! 見てないでこれ剥がしてくださいよ!」

「ふむ………」

「何? 羨ましいのバルス? だったら丁度良いクエストがあるわよ。ハチミツ塗ってアオアシラに行ってきなさいな」

「そんなハードなのは求めてないよ!?」


――そんな訳で、短い間でしたが私の語りはこれで終わりです。



願うならこの後は、大変な出来事が続いてしまったので少し休みが欲しいなぁ……。

「ハンターさん達! 大変だ!」

運命の女神様がいるなら、随分とひねくれているに違いないです。

アマツマガツチの時とはまた違った顔で村人――説明し忘れてましたが同一人物です。更にいうなら村の『自称』鬼門番さんです――はこう続けたのだ。

「今、村に『イーゼンブルグ家』の当主、ダイガス=イーゼンブルグ様が来てるんだ! 何でも娘を連れに来たとかで、それを探して欲しいんだと……でもこの村にそんなお嬢様がいるってのかよ?」

イーゼンブルグ家といえばドンドルマでも有数の上流貴族の家柄だ。
どれだけ凄いかというと……私でも知ってる位と言えば伝わるでしょうか?

「娘さんの名前は? それ位分かんなきゃ探しようがないよ」

鬼門番はよほど慌てていたのだろう、言われてからハッとした表情になった。

「あぁ、確かにハンマーさんの言う通りだ。御令嬢の名前はシャルワナ。シャルワナ=イーゼンブルグだ」

「んー聞かない名前だね」

しかし。
私にはその名前が出た瞬間彼女が、シャワちゃんがピクリと体を震わせたように見えたのだ。







ともかく、私のお話は本当にこれでお終い。
次はきっと、もっとふさわしい人が話してくれると思うから。

 
                          【次章へ】
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Author:楽太郎
モンハン好きの誰しもが自分の『世界』を持っているはず。この話はそんな世界の一部分です。
楽しんで読んでもらえたら幸いですね
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