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ガイドポストは龍の調べ~Black Contract~ 第一話

2012/10/24

ー騒動の裏舞台ー


――これはハンマー達が古塔へ向う少し前の話


―バルス達のギルド―

「――という訳なの! すぐに加勢をお願い」

ギルドへ帰ったバルスとシャワは、休む間もなく受付嬢であるシェリーから古龍化したモンスターの討伐依頼を受けていた。

「やっと帰って来て、いきなりクエストはきついね……。それにあの二人との約束もあるしなぁ……」

「疲れてるのはあの大砂漠にランスなんか探しに行ってたからでしょ! 自分の責任じゃない!」

バルスは火山から帰還した後、一人で砂漠に行って今帰ってきたばかりなのであった。

「いや……でもやっぱりあれは自分だけの責任じゃ……」

「なによ! そもそもディアブロスにかち上げられる方が悪いでしょ!?」

「二人とも! 言い合いをしている場合じゃないわよ!」

再び口論に火がつきそうになるところに、シェリーが割って入った。

「今回のクエストは、ギルドから強制参加が義務付けられてるから。拒否権なんか無いわよ?」

「そんな!? まだ身体中砂まみれなのに!」

体を動かす度に砂をこぼしながらバルスが抗議の台詞と砂を吐く。

「とりあえずその砂、早く落としてきなさいよ……それでクエストの詳細は?」

とりあえず水だ! とバルスが駆け出していくのを尻目に、シャワが尋ねた。

「樹海に、滅多に姿を見せないエスピナスが出現しているという情報が入ってるわ。樹海の集落の被害は深刻みたい。至急討伐に向かって欲しいわ」

(樹海か……約束の場所から近いわね)

ならアクア達の加勢に向かえる可能性が出てくる。

「……分かったわ。すぐに支度するから」

そう言ってシャワはバルスを呼びにいった。

「バルス! いつまで洗ってるのよ……って何これ!? どれだけ砂詰まってたのよ!! まったくもう――――!」


       

―樹海―

「はぁ……」

木々が鬱蒼と覆い茂る中、二人の足取りは若干の疲れを帯びていた。

「ちょっとぉ……エスピナスなんて何処にもいないじゃない……」

シャワがいつもより覇気の無い声でボヤく。

「目撃例が少ないからね……どこを巣にしているかも不明だ。これじゃ居場所も掴めないよね……」

二人は、ほぼ丸一日樹海を歩き回っていた。

二人は無言で樹海を進んでいたのだが、日も落ちてきた頃ずっと黙っていたシャワがついに口を開いた。

「あーーもう! 少し休憩にしましょう」

「確かに。もう夜だしね……このままじゃ効率も落ちる」

バルスも賛成し、二人はしばしの休憩の準備に取り掛かった。

「ところでバルス。大分歩いたけれど、今どの辺りなのかしら?」

ふと、気になったので聞いてみた。
バルスのことだからすぐに答えが返ってくるだろうと思っていたのだが、彼の返事に耳を疑った。

「え……? シャワちゃんが把握してるんじゃなかったの?」

「はぁ!? なんで私が把握しなきゃならないのよ! あんたが黙って着いてくるからてっきり知ってると……」

「僕だって! シャワちゃんがどんどん先に行くからてっきり分かってるものだと……」

「ってことは……」

「うん……」

気まずい沈黙が流れる。

――二人は完全に迷ってしまっていた

「……とりあえず完全に暗くなる前に、何か手掛かりになるものを発見できればいいんだけど……」

バルスは持ってきていた松明に火をつけながら言った。

「そんなこと言ったってそう簡単に手掛かりなんて………あ」

「ん? 何かあった?」

「大きな足跡があるわ。……見たことない足跡ね。ってことは多分エスピナスじゃない?」

「わお」

シャワは簡単に手掛かりを発見してみせた。

この辺の運の良さも彼女の強さの秘訣であるのかもしれない。


「よし! その足跡を追っていくしかないね」

「そうね、すぐ行きましょう。まだ新しいし、きっと近くにいるわ」


――元気にそう言った二人はこの後、夜通し歩き続けることになる



      

明け方を過ぎた頃、二人は未だ足跡を追い続けていた。
しかも深い霧が出始め、視界がかなり悪い。

「………うぅ、大分遠くまで歩いてきちゃった……わね」

「……………そのようだね。霧でよく……見えないけど」

二人の体力は限界に達していた。

「取り敢えず一度休憩を入れましょう……色々と限界よ……」

体中泥だらけのシャワが深いため息をつく。

「そうだね。うわ……頭に苔生えてるよ……」

「ひっ!? は……早くほろいなさいよ!」

苔のおかげでバルスのスカルフェイスは更に不気味なことになっていた。

しばらく死んだように休憩していた二人だったが、鼓膜が震える程の咆哮によってその安息は破られた。。

「ギャオォォォォォ!!」

「なんだ!? こんな咆哮聞いたことないぞ!」

「しかも近いわ!」

その瞬間強い風が吹き、霧が一気に晴れた。

「…………っ!」
「…………っ!」

目の前には何と、約束の地である古塔がそびえ立っていたのだ。

「これも巡り合わせかな?」

「そんなこと言ってる場合じゃないわよ! きっと中に二人がいるわ、急ぎましょう!」

二人は古塔の入り口に駆け付け時、目に飛び込んできたのは探し求めていた飛竜エスピナスと重傷のハンマー、そしてそれを庇おうとしているアクアの姿だった。

「不味いっ!」

バルスは咄嗟に閃光玉を投げつける

「こっちに引き付けるわよ!」

シャワもライトボウガンを構え、エスピナスめがけて撃ち放った。

「グオォォォ!?」

目を眩ましながらも、こっちに向かってくるエスピナスを確認すると、バルスは念のため持ってきておいた小太刀を救急道具に括りつけ、アクアに渡そうと振りかぶった。

「アクアちゃ……もがっ!?」

シャワはバルスの口を塞ぐと小声で呟いた。

「馬鹿! 下手に声を掛けて向こうから返事かあったらあいつを引き付けた意味がないじゃない! ジェスチャーで伝えるのよ」

(了解!)

バルスが小太刀を投げ渡すのを見てから、シャワはアクアにジェスチャーを試みる。

(ここは任せて、先に行きなさい!)

アクアはそれを理解したのか、ハンマーを担ぐとお辞儀をして奥へと駆けていった。

「さて、それじゃあエスピナスさん? 散々歩かされたツケ、たっぷり払ってもらうわよ!」

「さっさと倒してアクアちゃん達の加勢をしないといけないしね」

二人は武器を構えて攻撃に移ろうとした。

「グオォォォ!!!」

しかし、目の眩んだエスピナスは入り口に向かって暴れながら突進してきたのだ。

「やばっ! 避けるわよ!」

「はいさ!」

二人は横に飛んで避けようとした。

――が

二人の装備にエスピナスの翼の棘が上手い具合に引っ掛かった。

「え!?」

「うわっ!?」

エスピナスはそのまま入り口を抜け、樹海へと走っていった。

完全に引っ掛かって身動きが取れないまま、シャワはバルスに話しかけた。

「……ねぇ、何か似たようなことなかった?」

「同感だよ……はぁ、今度はどこまで行くんだろ……アクアちゃんごめん!」

ため息混じりの二人と一匹は樹海の奥に消えていった。



――およそ半日は経っただろうか。

「………」
「………」

溜まっていた疲れもあり、二人は物言わぬ洗濯物となっていた。

すると、樹海を爆走していたエスピナスに変化が訪れる。

「……あれ? ねぇバルス」

「……何だい?」

「エスピナスの体……何だか少し、光ってない?」

「え? ………ホントだ」

――時刻はアクアがクシャルダオラを倒した数時間後。

突如、エスピナスの体から大量の光の粒が現れ、それらはふわふわと空に向かって上がり始める。

「……一体何なの!?」

空に消えていく光を見上げながら呟いたシャワの耳に、バルスの慌てた声が聞こえてきた。

「シャワちゃん! 大変だ!」

「どうしたの?」

「エスピナスが……!」

「エスピナスが何? って ………嘘!?」

シャワが見たものは淡い光を帯びながら徐々に縮んでいくエスピナスの姿。

もちろん二人が引っ掛かっている棘も縮み始めている。

(こんなスピードのまま落ちたりしたら……)

シャワの背筋に冷たいものが走る。

「バルス! どこかの枝に捕まってエスピナスから離れるわよ! 今なら外れるはず!」

「……と言ってもそんなに都合良く枝なんて……」

「! あったわ!」

「!? あったの!?」

思わずオウム返しで驚いてしまう。

「あそこ! 丁度いい高さに枝が伸びてるわ! あそこまで誘導するわ!」

と言ってシャワは素早くライトボウガンを構えると、一発の弾をエスピナスの頭部に向かって撃ち放った。

「そんな無茶な……っ!?」

「グォォオ!!」

突然の痛みに驚いたエスピナスはよろめき、目的の枝の方向に進行方向を変えた。

「やったぁ! さぁ、飛び移るわよ!」

(運が良いとかのレベルじゃないような……)

そう思いながらも、バルスはシャワに続いて枝を掴むと、遂にエスピナスから離れることに成功した。

「ふぅ……やっとおさらばできたわね」

枝にぶら下がりながら一息つくシャワ。

「………シャワちゃん」

そんなシャワにバルスは静かに声をかけた。

「何よ?」

「僕達……思いの外良くないモノに掴まってるみたいだよ」

「え? …………きゃっ!?」

横を見ると赤い光が二つ。

「フギャォォォ!!」

「きゃあ!」
「うわぁ!」

休息を邪魔され怒り狂ったナルガクルガは、尻尾に掴まっていた二人を振り払うと飛びかかりのモーションを始める。

「いったぁ……って逃げるわよバルス!」

「もちろん!」

二人はすぐさまナルガクルガに背を向けるとダッシュする。

「いやぁ……それにしても少しホッとしたね」

走りながらバルスはそんなことを言う。

「あんたこの状況で何でそんなこと言えんのよ!」

後ろのナルガクルガを気にしながらシャワが叫ぶ。

「だってさ、あんなにラッキーが続くと怖くならない?」

「あぁ……まぁ確かに私の運の良さは因果応報っていうか、必ずと言っていいほど返ってくるわ……」

「あははは!」

それを聞いたバルスが不意に笑いだす。

「ちょっと! 何が可笑しいのよ!」

――ま、人生ってそんなもんなのかもね とバルスはクククと笑いながら言っていた。







バルスがシャワの前から姿を消したのは、三日後に樹海を抜けたその後のことである。
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Author:楽太郎
モンハン好きの誰しもが自分の『世界』を持っているはず。この話はそんな世界の一部分です。
楽しんで読んでもらえたら幸いですね
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